Damijan Podversic

ダミアン・ポドヴェルシッチ

土地の詩を瓶に — 革新と畑への敬意

イタリア|フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア|Collio(コッリオ)

概要

フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア、Collio ゴリツィアの丘の上。 ここで生まれ育ち、畑と向き合いながら常に前進し続ける造り手がダミアン・ポドヴェルシッチです。 幼い頃から父の畑とオステリアに触れ、畑仕事こそがワインの根幹であると深く刻み込みました。 やがて伝説的な造り手 Josko Gravner との出会いから、技術のみならず、自然環境と人の関係性を捉える哲学を学びます。 1998年、Monte Calvario の放棄された畑を自らの手で耕し、本格的な栽培と醸造を始めました。

ダミアンは化学肥料や過剰な人為的介入を避け、土壌そのものの声に耳を傾けるスタイルを貫いています。 収穫は可能な限り遅らせ、時にブドウが貴腐化するほど熟成した果実をも受け入れます。 土壌由来のミネラル感、果実の完熟、そして骨太な酸。 彼のワインは単なる味わいを超え、フリウリの地そのものの肖像となって立ち現れます。

フィロソフィー

ダミアンにとってワイン造りは対話です。畑、土、微生物、気候……すべてとの静かな交渉の積み重ね。 人の意思を薄くし、自然の声を濃くするために、選択はいつも「過剰に足さない」方向へ向かいます。

  • 化学肥料・農薬に頼らず、畑の健全さを優先
  • 除葉・摘房などで収量を抑え、果実の密度を高める
  • 樹上完熟を徹底し、収穫のタイミングを妥協しない
  • 野生酵母で発酵し、ワインの輪郭を自然に任せる
  • 長い時間を味方にする(大樽熟成 → ボトル熟成)

こうして生まれるワインは、複雑さと純度を併せ持ち、生産者の美学を余すことなく伝えます。

テロワール

Collio の丘は「ポンカ(Ponca)」と呼ばれる泥灰岩と砂岩の混合層が折り重なる土地です。 乾燥期には水分を蓄え、ワインにはミネラルと緊張感のあるテクスチャを与えます。 Ribolla Gialla、Malvasia、Friulano といった土着品種はここでこそ本来の可能性を発揮し、 深い複雑さと透明感を生み出します。

代表的ワイン

ここではダミアンを象徴するキュベの一部をご紹介します(商品一覧は下部のコレクション表示をご利用ください)。

  • Ribolla Gialla — 完熟果実の芯の強さと、果皮由来の奥行き。複雑さと緊張感が長く続く。
  • Malvasia — 芳香と凝縮のバランス。豊かさの中に静かな酸が走る。
  • Friulano “Nekaj” — 柔らかなアロマに、構造のある酸。余韻は凛として長い。
  • Kaplja — ブレンドが生む黄金比。立体感と一体感を同時に感じる一本。
  • Pinot Grigio — 果皮浸漬由来の色調と骨格。白の枠を越える存在感。
  • Prelit(赤) — 完熟を待ち、構造を積む。果実とタンニンが静かに締まる赤。

エピソード

ダミアンの取り組みは決して楽なものではありません。 ある年は冷雨に見舞われ、畑の大部分を失いながらも、残った果実に宿った自然の作用が驚くほどの深みを生み、 ひときわ印象的なヴィンテージへと結実したこともあります。 試練と向き合う中で育まれた彼のワインには、変化する環境と生産者自身の成長が刻まれています。