ヴィーノ ロッソ"プシューケー” 2020 / ラ カッシネッタ-La Cascinetta

ピエモンテ

¥8,250

Vino Rosso “Psiche’” 2020

収穫後、果皮と共に約2週間の醗酵。圧搾後、ステンレスタンクに移し、酸欠状態にならないよう、こまめにオリ引きを行いながら12か月の熟成。その後、古樽(500L)に移し24か月の熟成。
2020のハイヴォリュームかつ華やか、弾けるような果実的な香りはそのままに、熟成による複雑さと奥行きが加わる。ルケというブドウの可能性に驚かされます。今後さらに期待が持てる素晴らしい味わいです!

ルケの本能に、時間という知性が宿ったワイン

グラスに注ぐと、まず広がるのは華やかで艶のある果実香。バラやスミレといったフローラルな香りに、完熟チェリー、ブラックベリー、プルーンの濃密な果実。そこにドライハーブ、甘いスパイス、樹皮やバルサミックなニュアンスが重なり、2020年らしいボリューム感を感じさせる。

口に含むと、驚くほどスムーズで錯覚するような軽やかさ。アルコールの高さを感じさせない滑らかなアタックから、果実の甘みと旨みが一気に広がる。タンニンは豊かだが角はなく、熟成によって丸みを帯び、酸は前に出すぎず全体を静かに支える役割。

通常のルケよりも一段深く、木樽熟成によってもたらされた奥行きと複雑さがあり、果実の派手さだけに終わらない“陰影”を持つ味わい。余韻には、熟した果実とともにスパイスやほのかな土のニュアンスが長く残り、飲み進めるほどに静かな説得力を増していく。

ルケという個性的な品種の魅力を極端に誇張するのではなく、時間と熟成によって内側へと掘り下げた一本。感覚的でありながら、どこか哲学的──“Psiche(魂)”という名が腑に落ちる、ラ・カッシネッタらしい特別なワインです。

商品データ

生産地

イタリア / ピエモンテ

生産者

ラ カッシネッタ / La Cascinetta

ヴィンテージ

2020年

ブドウ品種

ルケ100%

タイプ

赤ワイン

容量

750 ml

インポーター

eVino

ラ カッシネッタ / La Cascinetta

経験やキャリアに縛られず、自身の感性と素材のクオリティを信じた魅力溢れるルケ

アスティの北東に位置するカスタニョーレ モンフェッラート。この土地周辺に残る地品種「Rucheルケ」、DOCGを取ったことで一時期注目を浴びましたが生産地域は小さく、ルケを栽培・醸造している造り手も極僅か、希少なエリアでもあります。当主であるジャンカルロ ボルトリンは、トリノ近郊で生まれ育ちました。両親はプーリア出身でしたが、1950年代に仕事を求め、ピエモンテに移り住んでいます。

都会での暮らしよりも、自然の残る環境で農業を営み、暮らしてゆくことを夢見たジャンカルロ。2007年にヴィアリージの土地、放棄されていた小さな家と3haのブドウ畑を手に入れました。2009年にルケ、バルベーラ、グリニョリーノを植樹し、2013年より徐々にワイン造りを開始。農業はもちろん、ワイン造りも素人同然だったジャンカルロ。「自分たちが暮らし、(作物を)作り、食べる。土地に根付いた暮らしをしたい」、という強い想いを持ち、畑では一切の薬品や化学肥料を使用せず。ブドウ畑で唯一、銅と硫黄物を最低限使用にとどめた有機的な農業を続けきました。

醸造学校に通っていない(もちろん通う気もない)ジャンカルロ、醸造は全くの無知だったこともあり、近所のワイン生産者にエノロゴとして2013~2015と手伝ってもらっていました。しかし、培養酵母を添加し、温度コントロールをして造られた自身のワインを飲み、「(自分で育てた)ブドウの味がしない」、と感じた彼。エノロゴの反対を押し切り、2016年より独学をベースに酵母添加をせず、温度管理も行わない醸造、SO2もボトル詰めの際にわずかに使用するだけ、現在のワイン造りが始まりました。

約3haのうち、2haを占めるルケ。土壌はカスタニョーレ~ヴィアリージ周辺に多く見られる石灰質、粘土質、砂質が混ざり合い、場所によりマーブル状に土の色が変わる緩やかな丘陵地。標高は250m、近年の温暖化、猛暑の影響を受けにくい北東向きの斜面を選んで植樹。「ブドウ樹にとって大切な午前中の日照を受け、ブドウを焼く午後の強い日差しの影響を受けにくい土地」、畑ではクローバーやマメ科の植物の種を播き緑肥としている以外、加えるものはありません。銅と硫黄についても、必要最低限しか行わない徹底したこだわり。そして何より、最も特出すべきはそのブドウの収穫量の少なさ、そして完熟まで待ち続けるこだわり。
ルケというブドウについては、外観はグリニョリーノに似ており、粒が小さくばらけた房。ただ色素はグリニョリーノより濃くなるといいます。「栽培している生産者次第で、かなり特徴が変わるけど、それは収穫量に関係してるんじゃないかな?自分の畑だと果皮がすごく厚く成熟することが多く、バルベーラにも負けないくらい」、といいます。しかし、バルベーラに比べると酸は低く、DOCGでは酸を補うためにバルベーラを10%加えられることも、酸の低さを補う事を示していると思います。

しかし、ジャンカルロはルケだけで醸造を行いますし、「収穫量をしっかりと抑えれば、酸も十分にもったルケを収穫出来る」、といいます。DOCGで認められている9t/haに対し、彼の収穫量は3.5~4t/haという少なさ。早い段階より収量制限を行うだけでなく、果皮・種子まで完全に成熟するまで収穫を遅らせる、徹底的な覚悟をもったブドウ栽培。結果的に、超熟成したルケは、糖度が高すぎて潜在アルコール度数が15%を軽く超えるほど、、、汗。このぶどうをを果皮と共に約2週間、緩やかに醗酵が進む。これほどの糖度、アルコールであっても、今まで醗酵が途中で止まった経験はほとんどないと話すジャンカルロ。「収穫したブドウからは、完熟したブドウの香りの他に、強い酵母の香りが溢れてる」、との話に驚きを隠せません。非常に香りに特徴を持つルケ、その特徴を美しく表現する為に醗酵が終わった後、オリの状態を敏感に見極め、こまめにオリ引きを行う彼。その回数の多さに、むしろ酸化のリスクを心配してしまいますが、「嫌気的な環境よりも活発な酵母、健全なアルコール、酵母環境があれば、酸化を恐れる理由が俺にはわからない」と、一蹴されてしまいました。

カッシネッタのワインを支えているのは、経験値でも醸造テクニックでもない、溢れんばかりの素材(ブドウ)への信頼感、、。久しぶりに出会う、裏表のない情熱と強い意志を持ったジャンカルロ。ワインとしてはまだ粗削りな面も多いですが、それを補って余りある素晴らしい味わいと魅力的なルケ。ぜひ一度お試しいただきたい造り手です!

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